今世紀は ”水の世紀" と言われ、地球温暖化や人口の増大など様々な要因で

水資源の不足や水質の汚染が進み、私たちは持続可能な道を見出さなければなりません。

また近年はゲリラ豪雨や豪雨に伴う土砂災害も多く起こっています。

私は地中水や渓流水の質的、量的な観測を通して降雨流出過程の理解を深めるとともに

災害が起こるメカニズムについて解明していきたいと考えています。

 

 

 

森林総研の季刊誌に記事が載りました。(クリックすると大きくなります。)

研究の森から:「森の地下水の流れをつかまえる」

これまでの、そしてこれからの地下水の研究とSDGsについて。

 

森林総研の website はこちら https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/kikan/kikan-51.html

 


 

Three main topics that I'm dealing with.

主に3つの観点から研究を行っています。

 

Role of bedrock groundwater in the rainfall–runoff process 

降雨流出過程における、基盤岩地下水(山体地下水)の役割

降った雨が、どれくらい時間をかけて、どれくらい水質を変化させながら、どのような経路を通って流出するのか

そのプロセスの中で、岩盤中を流下するような深い地下水の役割について調べています。

これは基礎的な研究ですが 水資源、水収支を評価する上で重要な情報となると考えています。

 

Role of entrapped pore air in the rainfall–runoff process

降雨流出過程における、間隙空気(封入空気)の役割

前述の降雨が流出するプロセスにおいて、崩壊を伴うような非常に大きな流出時には

斜面内、山体内に封入された空気が現象に関与していると考えています。

これについて解き明かすことは防災の面でも役に立つと考えています。 

 

Discharge of radioactive cesium from forested small catchment

森林小流域からの、セシウムの流出量と形態

2011年に起きた東日本大地震とその後の原発事故によって環境中に放出された放射性セシウムについて

森林小流域からどれくらいの量がどのような形態で流出するのか調査し、将来予測等に役立てたいと考えています。

セシウムは土壌粒子に強く吸着するため、水の動きだけでなく浮遊砂や葉や枝などの有機物の動きにも着目しています。